色素性乾皮症という紫外線に当たることができない難病について、お問い合わせが多く、当会が調べたものを順を追ってお知らせしたいと思います。
また、患者様よりいただきました情報をご了解を得て提供したいと思います。
「色素性乾皮症」とは?
※難病センターHPより
色素性乾皮症(xeroderma pigmentosum;通称XP エックスピー)は、露光部(光に当たった部分)の皮膚に「しみ」がたくさん生じ、皮膚が乾燥し、皮膚がんが普通の人の数千倍多く生じる病気で、半数以上の患者さんで神経症状が現れます。
また多くの患者さんで日に当たると異常に激しい日焼けの反応が生じ、それが引くのに1−2週間かかります。
この病気にはA-G群とV型の8つの病型が知られていますが、それらの症状はどの病型かによってもその程度や現れ方が異なります。
特徴
色素性乾皮症(xeroderma pigmentosum, XP)の特徴について
- 日光過敏症(患者さんの60 %未満の方には,わずかな日光曝露で水疱や持続性紅斑を伴う重度の日焼けが起きる).
※紅斑とは,真皮内血管,特に毛細血管の拡張, 充血により生じている隆起や,陥凹などを生じて いない皮疹のこと - 大多数の患者では,2歳以前に,顔にはっきりと目立つそばかすのような色素沈着ができる
- 日光に当たることによる眼の症状(角膜炎,眼瞼の皮膚萎縮)
- 日光に当たることによる皮膚腫瘍(基底細胞癌,扁平上皮癌,黒色腫)のリスクは極めて高い
※ http://grj.umin.jp/grj/xp.htmより
患者の約25 %に神経症状(後天性小頭症,深部腱反射の減弱もしくは消失,進行性の感音難聴,進行性の認知障害)が現れる。
最も多い死因は皮膚癌,神経変性,内臓腫瘍である。
神経変性を伴うXP患者の死亡年齢(中央値)は29歳であり,神経変性を伴わない患者(37歳)よりも早いことがわかっている。(2016年データ)
型
日本では、XP-Aが55%を占め,皮膚症状のみのV型(バリアント)が25%でこれに次ぐ.
その他,XP-Dが8%,XP-Fが7%,XP-Cが4%であり,XP-Eは稀
https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/guideline/shikisoseikanpisyouguideline.pdf
予防として日常的に行わなければらなないこと
予防:皮膚や眼が日光や紫外線にあたらないようにする。
自宅、学校、職場環境の紫外線量を測光露出計で測定し、環境紫外線量が高い場所を特定し、こうした場所をなくす(窓ガラスに遮光フィルムや塗料を施す)または、避ける。
必要に応じて、ビタミンDのサプリメントを摂取。
XPかもしれないという症状
以下の場合は、専門皮膚科にかかってください
皮膚
- 急性日光過敏症(わずかな日光曝露で生じる水疱や持続性のある紅斑(を伴った重度の日焼け)
※紅斑とは,真皮内血管,特に毛細血管の拡張, 充血により生じている隆起や,陥凹などを生じて いない皮疹のこと - 2歳以前での顔のハッキリとした、そばかすのような色素沈着(黒子)
- 1歳以前での皮膚癌
眼
- 結膜充血を伴う羞明(しゅうめい=まぶしさ)
- 重度の角膜炎(角膜混濁や血管新生が生じることもある)
- まぶたへの色素沈着の進行,まつげ消失
- まぶたの皮膚萎縮によるまぶた外反,まぶた内反
神経系
- 筋力低下
- 難聴
- 後天性小頭症
- 進行性認知障害 など