子供のための紫外線対策協会は、紫外線と紫外線対策について情報を提供しています

紫外線による健康への影響

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紫外線による健康への影響

日焼け・光老化・皮膚がん

 

日焼け:サンバーンとサンタン

子どもの頃は強い日焼けをしても、一週間もすれば小麦色に焼けた一見健康そうな滑らかな皮膚に戻ります。

しかし、毎日太陽紫外線を浴び続けている顔の皮膚には。20歳を過ぎたころから、シミなどの症状が出始めます。
日差しを浴びて数時間後に皮膚が赤くなることをサンバーンといいます。
これは、皮膚の血流量の増加が原因ですが、その引き金は、主にUV-Bによって細胞遺伝子に生じたキズです。メラニンが増え、皮膚が黒くなることをサンタンといいます。

これも一部は遺伝子のキズが引き金となっています※1

健康的な「サンタン」というものはありません

あなたのスキンタイプは何? 人によって日焼けの仕方はちがいます

日焼けはスキンタイプによって大きく異なります。人のスキンタイプは6段階で分けられています。

 

 

日本人で一番多いタイプはスキンタイプ3 の「赤くなった後、いつも黒くなる」といわれています。
このスキンタイプの人は、真夏の日中に太陽光を2025分浴びるとわずかに赤み(サンバーン)が生じます。ひどい日焼けを繰り返すと皮膚がんになるリスクが高くなります。

特にスキンタイプ①の人は用心が必要です。

スキンタイプ1の人は最も紫外線に対する障害を受けやすく、UV-BによるDNA損傷はスキンタイプ③の35倍といわれています。※2

 

皮膚老化の90%は紫外線によるもの!?

顔、手の甲や腕の外側の皮膚は、子どもの頃から繰り返し浴びている太陽紫外線によって、遺伝子が変異したり、遺伝子の働きに異常が生じ、紫外線を浴びていない皮膚よりもシミやシワ、さらに良性・悪性の腫瘍が出来てきます。

これらの変化は光老化(フォトエイジング)と呼ばれます※1

一般に老化によるものと思われている皮膚の見た目の変化のうち、最大90%は、紫外線被ばくによって引き起こされたものである可能性があります※3

光老化は顔に一番顕著に現れます。

年をとってから生じる“いぼ”である良性腫瘍が40歳過ぎに高頻度で顔や手の甲に出始めます。

白人に比べると、頻度は少ないものの、皮膚の悪性腫瘍(皮膚がん)は時に命を奪い、外科的手術を受けると著しい生活の質の低下をきたします。

子どもの頃からほとんど毎日太陽紫外線を浴びる顔の皮膚には、皮膚がんが発症しやすいことが知られており、皮膚がんの約80%が日光に当たりやすい皮膚に発症しています。

日ごろ紫外線を浴びすぎない努力をしない限り、光老化で生活の質が低下する患者や皮膚腫瘍患者が増加すると予想されます。

 

皮膚がんの種類 ※3

皮膚がん

度重なる紫外線被ばくは皮膚がんの発症やその進行を早めます。

世界で毎年、200万~300万の非黒色腫皮膚がん、または約132000の悪性黒色腫が発生しています。過去10年で、皮膚がんの発生率は増加しています。現在、北アメリカに住む人々の5人に1人は生涯のうちになんらかの皮膚がんを発症するといわれています。ガンの最も代表的なものは基底細胞ガン・扁平上皮ガン・黒色腫の3つです。

悪性黒色腫とは異なる非黒色腫は、命に関わることはありません。その種類の皮膚がんも子供時代に発症することはほどんとなく、ガンが進行するまでには数十年かかります。しかし、幼児期の紫外線被ばく量により、成人してからの皮膚がん発症のリスクが高まります。

 

基底細胞がん>>

赤みをおびたうろこ状に現れます。その進行は遅く、他の部位に転移することはほとんどありません。

 

扁平上皮ガン>>

紫外線を浴びやすい身体の部位-耳・顔・首・前腕-に濃い赤みをおびたうろこ状の斑点になって現れます。進行はゆっくりですが、場合によっては転移することがあり、命にかかわるので、基底細胞がんよりも危険です。

 

 

悪性黒色腫>>

ごく稀ですが、非常に危険なタイプの皮膚がんです。新しくできたほくろや、古くからある斑点・そばかす・ほくろの色や形や大きさや感触の変化という形で現れます。黒色腫は輪郭がぼやけ、色にむらがあることが多く、痒みがあります。しかし、痒みは通常のほくろにもみられます。もし、気にかかるほくろや斑点がある場合は、病院で診察を受けるべきです。早期に発見され、治療が行われれば、生存の可能性も高まります。

 

1 環境省 平成17年度 オゾン層等の監視結果に関する年次報告書 太陽紫外線の影響

P9596一部引用、一部の専門用語を簡易なものにしております

2 絵とデータで読む 太陽紫外線-太陽と賢く仲良くつきあう法- 東海大学総合科学技術研究所

佐々木政子著 太陽紫外線の目と皮膚への作用 P62.63

3 WHOSUN PROTECTION  A primary Teaching Resource 2003

Background information P9-10WHOより当協会による翻訳・画像使用の許可をいただいています>


 

肌荒れ

 

“肌荒れ”とは、皮膚の潤いを保つバリア機能が低下した状態を指します。つまり、「乾燥」です。角質に亀裂がはいったり、剥がれ落ちたりすることにより、皮膚内の水分を失いやすくなり、表皮が白くぽろぽろになったり、かゆみが出たりします。子ども達は皮膚が薄く、バリア機能が低いため、環境からの影響を強く受けやすいため、より注意が必要です。アトピー性皮膚炎は、バリア機能が弱い状態での症状で、皮膚の乾燥を防ぐことが大切と言われています。日焼けは皮膚の乾燥を進め、肌荒れを悪化させる恐れがあります。子ども達の皮膚をみずみずしく、健康な状態に保つためには「保湿」と「紫外線対策」をセットで考える必要があります。

やけど痕・キズ痕

 

やけどやキズ痕は色素沈着が起こりやすいことはご存知でしょう。そのような色素沈着部分に紫外線が当たるとさらに沈着が進んでしまいます。とくに、皮膚表面の浅い部分のキズ(擦り傷など)やかさぶたが取れて間もない赤みをもった皮膚は色素沈着が起こりやすいので要注意です。このようなキズには紫外線が当たらないように保護を徹底しましょう。厚手の絆創膏やテーピング、包帯などでキズ痕を包んでしまうと確実です。さらに、キズ部分を覆うことができるウェアや帽子を利用するのが有効です。

 

レーザー治療中の皮膚

 

あざ治療として、レーザー治療中のお子様の場合、レーザー照射部分の紫外線対策が求められます。厚手の絆創膏やテーピング、包帯であざ部分を包んでしまうのが確実ですが、あざの範囲が広い場合はそれが難しいこともあるかと思います。エポカルはそのようなご相談をお受けした場合は、UVカット率99%以上の素材で作られ、あざ部分を覆うことができるデザインのUV対策ウェアや帽子とUVカットクリームの併用をおすすめしています。子どもの場合、UVカットクリームだけでは安心できないとエポカルは考えています。子どもはこまめな塗りなおしが大変ですし、動きが激しいためクリームがいつ落ちるか分からないからです。UVカットクリームとUV対策ウェアを上手に組み合わせることで、より効果的なUV対策になると考えています。なお、エポカルは医療用ではないので、主治医の指導に従うことを基本としてください。

 

光線過敏症

 

光線過敏症は一般に日光アレルギーと呼ばれています。

原因や症状が様々なので、専門皮膚科にかかることをおすすめ致します。
下記に光線過敏症についての詳細情報をご紹介いたします。

日光じんま疹:日光にさらされてわずか数分で現れるじんま疹、つまり大きくて赤く、かゆみを伴う発疹です。日光にあたって10分以内にじんま疹が皮膚に現れ、日光にあたらない状態になると12時間以内に消えます。このじんま疹が広範囲にできると、頭痛、体力減退、吐き気などを伴うことがあります。

化学物質による光線過敏:日光に短時間さらされた後に、皮膚に赤みや炎症、ときには茶色や青の変色が生じます。この反応は日焼けとは異なり、ある種の薬や化学物質を服用、または皮膚に塗った後で日にあたった場合にしか現れません。こうした化学物質には、一部の人を紫外線に対して過敏にする作用があります。かゆみを伴うじんま疹ができた場合、日光がきっかけで薬に対するアレルギーが誘発された可能性があります。

多形日光疹:日光に対する異常な反応で、原因はわかっていません。これは日光に関連する皮膚の問題として最も多いものの1つで、女性や、日にあたる機会があまりない人に多い傾向があります。症状としては、日光にあたったところに複数の赤い隆起や不規則な形の赤い皮疹が生じます。この皮疹はかゆみを伴い、日光にさらされてから30分から数時間以内に現れます。ただし、ときには数時間以上または数日もたってから新しい皮疹が現れることもあります。隆起と皮疹はだいたい1週間以内には消えます。このような症状がある人でも繰り返し日にあたると、日光に対する皮膚の過敏性は徐々に弱まっていく傾向があります。

 

皮膚を日光に過敏にする主な物質

抗不安薬 アルプラゾラム クロルジアゼポキシド

抗生物質 キノロン系 スルホンアミド系 テトラサイクリン系 トリメトプリム

抗うつ薬 三環系抗うつ薬  抗真菌薬(経口薬) グリセオフルビン

血糖降下薬 スルホニル尿素系 抗マラリア薬 クロロキン キニーネ

抗精神病薬 フェノチアジン系   利尿薬 フロセミド サイアザイド系

化学療法薬 ダカルバジン フルオロウラシル メトトレキサート ビンブラスチン

にきび治療薬(経口薬) イソトレチノイン 心臓の薬 アミオダロン キニジン

皮膚外用薬など 抗菌薬(クロルヘキシジン、ヘキサクロロフェン) 抗真菌薬 コールタール 香水

日焼け止め

メルクマニュアル(http://merckmanual.banyu.co.jp/)家庭版 皮膚の光線過敏症より

 

メルクマニュアル家庭版とは、世界で最も信頼されている医師向けの「メルクマニュアル」をベースに、わかりやすく書き下ろした家庭向け医学書で、300人近い医療の専門家によって執筆されています。

光線過敏症のほとんどの場合、紫外線UV-Aが作用光となります。光線過敏症の原因となる物質は先にあげられているもの以外でも、植物・食品・医薬品・化粧品・化学工業薬品・除草剤・殺虫剤など様々な物質の中に数多く見出されています。※

※ 絵とデータで読む 太陽紫外線-太陽と賢く仲良くつきあう法-

東海大学総合科学技術研究所 佐々木政子著  皮膚の紫外線障害P61より

白皮症※

白皮症(アルビノ)はまれな遺伝病で、メラニンがほとんど、あるいはまったくつくられない病気です。

白皮症は世界中、あらゆる人種でみられます。メラニンには皮膚を日光から守る働きがありますが、白皮症の人はメラニンがないため、わずか数分間直射日光にあたっただけでひどい日焼けを起こすなど、非常に日焼けしやすく、皮膚癌にかかりやすい傾向があります。

白皮症の人は、皮膚への影響を極力避けるため、直射日光にあたらないようにし、サングラスをかけ、SPF値(紫外線のブロック効果)の最も高い日焼け止めを塗るといった方法を取ります。

日焼け止めを使っていても、白皮症の人は長い時間直射日光に皮膚をさらすことは避けるべきです。

 

※ メルクマニュアル(http://merckmanual.banyu.co.jp/)家庭版

白皮症  より

メルクマニュアル家庭版とは、世界で最も信頼されている医師向けの「メルクマニュアル」をベースに、

わかりやすく書き下ろした家庭向け医学書で、300人近い医療の専門家によって執筆されています。

 

色素性乾皮症※

色素性乾皮症(しきそせいかんぴしょう、xeroderma pigmentosum)は英語名の頭文字からXPと省略して呼ばれています。紫外線にあたると、皮膚がとても赤くなったり、水泡が発生し、やけどのようになってしまいます。紫外線で壊されたDNAを修復する機能が低下しているので、異常細胞(がん細胞)の増殖につながりやすいと考えられており、皮膚がんの発生する確率は、健常者の約2000倍と言われています。

※ 以上はWikipedia 色素性乾皮症ページを参考にしております。



目への影響※

目の構造はカメラの構造に似ています。
目の水晶体はレンズとしての働きと同時に、紫外線吸収フィルターの役割を持っています。水晶体たんぱく質は紫外線を吸収すると酸化凝集していきます。老人性白内障は長い年月にわたってUV-BUV-Aに曝されてきたことが主原因をいわれます。

もっとも一般的な紫外線による目の障害は雪目。雪面に反射したUV-Bに目を曝したことが原因の角結膜炎です。殺菌灯(紫外線UV-C)に直接目を曝した時にも角結膜炎が起こることがあります。紫外線に目を曝してるときにはなんでもないのですが、数時間後に激痛が生じます。

紫外線による目への障害はサングラスの使用でほぼ完全に防止できます。

 

紫外線カット眼鏡を選ぶときの目安

@ 紫外線カットが表示された製品を選ぶこと

A 色のあまり濃くないものを選ぶこと(色の濃いサングラス使用時は瞳孔が開き、
  紫外線カットが不十分であった場合、目に紫外線を多く取り込む結果となります)

B 軽量で衝撃にも強いプラスチック、特にポリカーボネートレンズがお勧めです

※ 絵とデータで読む 太陽紫外線-太陽と賢く仲良くつきあう法-

東海大学総合科学技術研究所 佐々木政子著http://www-cger.nies.go.jp/publication/M018/M018.html

P5657 目への光透過性と紫外線防御 ・ 目の紫外線防御

一部、専門用語の部分を簡易なものにさせていただきました

免疫系への影響※

紫外線が日焼けした部分だけでなく、体全身に与える影響として「免疫力の低下」があります。

日焼けした皮膚では、免疫とよばれる大切なはたらきが一時なくなってしまいます。免疫とは、病原体に侵された体の中で、それに抵抗して2度目の発病を防ごうとしておこるはたらきです。皮膚には、免疫力により皮膚にできたガン細胞を除こうとする働きがあります。しかし、UV-Bがあたると、ガン細胞を排除する免疫監視機構も一時的に機能しなくなります。海水浴やプールで全身を焼いたあとなどは、体の免疫反応が抑えられていて、感染症にかかりやすくなっていると考えられます。※

海岸や強い紫外線がふりそそぐ国に子ども達と一緒に出かけた時には、しっかりとした紫外線対策が大切です。せっかくのお出かけ先で体調を崩すことがないように用心が必要です。

 

※ 子どもと皮膚と太陽 神戸大学名誉教授 市橋正光著 日焼けと免疫のはたらきP4243

 

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