学校における水泳プールの保健衛生管理より

http://www.gakkohoken.jp/book/ebook/ebook_H210080/index.html

 

【水と関係する眼疾患】
紫外線眼炎:スキー場などでの雪目が知られていますが、砂浜や水面も太陽光を反射しやすく角膜障害を生じる可能性があります。目に限らず、素肌に長時間紫外線に曝すことは健康上の問題を引き起こす場合もあります。プールでは、状況に応じて、各機関(※)の紫外線情報を参考に紫外線の強い時間帯を避けるなど工夫して、不必要な紫外線暴露を避ける工夫が有益とされます。

※気象庁 http://www.jma.go.jp/jp/uv/
※日本気象協会 http://www.tenki.jp/indexes/uv_index_ranking/
※環境省 http://www.env.go.jp/chemi/uv/uv_manual.html

Q.光線過敏症は、どうして起こりますか。また、水泳は問題ないですか。

体質により、ある種の医薬品などを服用あるいは注射していると日光に当たった部分に皮膚炎を起こすことがあります。原因となる薬は、人により異なり、医薬品などを使用していない時にはこのような皮膚炎を起こしません。また、直接日光に当たらない限り症状が出ないことも特徴です。光線過敏症のある子どもは、薬を使用している間は、野外のプールは避ける必要があります。水泳の可否については、専門医と相談してください。

Q.強い日差しについては、どのように配慮すればよいですか。また、日焼け止めクリームを希望した場合には、どうしたらよいですか。

熱中症の予防を忘れるわけにはいきません。真夏日などの日差しが強い野外で長時間プールサイドにいると全身のほてりや倦怠感、頭重、めまいなどの熱中症のしぃき症状が見られることがあります。熱中症を予防するためには、テントなど日陰で休憩させ、十分な水分と塩分を摂らせるようにしなくてはなりません。良く晴れて、日差しの強い日には、あまり長く日に当たらないように注意し、テントなど日陰で過ごさせるように配慮してください。
いわゆる日焼け(日光皮膚炎)は、太陽の強い紫外線が原因となる一種のやけどで、主に臨海学校などで海辺にいるときにおこることがありますが、個人差があり、時には、学校プールで起こす児童生徒もいます。日焼けになりやすい子供には、日焼け止め剤の仕様を考慮する必要があるでしょう。

一般的な日焼け止め剤は、紫外線を遮る成分が、クリームあるいはオイル(耐水性系)中に分散した懸濁状態となっています。クリームは、基本的に水分と油分が界面活性剤を転嫁することで混和されたものなので、無条件に全員が使用することを容認すると、プール水の汚れの要因になります。一方、オイル系を使用した後は、簡単に落とせず専用のクレンジングクリームが必要となる場合もあるようです。
いずれにしても、保護者の意向と個々の児童生徒の体質と共に、プール水浄化装置の性能や換水頻度、遊泳人数など、学校の状況に応じて対応してください。

日本学校保健会HPより